スコットランドの北西部、南北に細長く連なった島々をアウター ヘヴリディーズ諸島と言う。一番大きなルイス島とその南に位置するのがハリス島。特に夏は英国内だけではなく、ヨーロッパ各地からやって来る程、人気の高い島だ。
ハリスと聞いて、聞き覚えのある人もいるかもしれない。多くはハリスツイードだろう。スコットランドらしいチェック柄を織り込んだデザインは、トラディッシュなファッション志向のある人に今も根強い人気がある。このハリスツイードの工房はフェリー港近くにあるのだが、もう一件最近高い評判を産んでいる産業がある。ハリス蒸溜所だ。
ハリス蒸溜所はソーシャルディストラリーと言って、島外へ流出する人々をお酒作りで食い止めようとした言わば町おこし的な蒸溜所だった。地元の海藻を使い、作られたハリスジンは自然な甘味と香りで大人気となった。そのジンで利益を産み、資金を回収しながら、次なる目標がハリスウイスキー。2023年初出荷したところ、瞬く間に完売したと言う。
ハリス蒸溜所内に併設されるカフェに立ち寄った。失礼ながら、とても洗練された味。バタースクウォッシュというカボチャの一種をスパイシーなスープに仕上げたもので、その後、この味を目指して家で何回か作り続けた。勿論、蒸溜所ツアーもあります。
ルイス島で有名なのが、ストーンサークル。13本の石柱が広大な土地に立ち並ぶ。イングランドにあるストーンヘンジは激混みするけれど、こちらスコットランドの島はそんな事はない(笑)
さらに車で北上し、アウターヘヴリディーズで有名な白い砂浜を見ながら、島の最北端にあるコテージへ。
コテージとは、キッチン、トイレ、バスタブなど一部共有スペースがあるタイプの宿泊施設。最果ての宿なので、周りに食事処は皆無。宿泊したほとんどの人は夕食を同じテーブルで共にする。ここは宿泊施設と燻製工房を経営しているので、特にサーモンの燻製が名物。リーゾナブルな価格の夕食を、旅の情報共有をしながら、味わった。
夕食後は、共有スペースのラウンジへ。ウイスキーなどボトルが数本置いてあり、飲んだ分だけノートに自己申告するだけ。好きな一杯を楽しみながら、ここで聞いたお勧めの度の話が、実は次の旅になった。ホテルも良いけれど、こんなパブリックなスペースがある旅も楽しいなと思い始めた旅になった。
【今回訪れたジン蒸溜所】Isle of Harris Distillery
住所:Harbour Street, Nr Ferry Entrance, Tarbert, GB HS3 3DG
【今回訪れたストーンサークル】Callanish Standing Stones
12m west of Stornoway off the A859, Isle of Lewis, Stornoway, HS2 9DY
【今回の宿】Uig Lodge
住所:Uig Lodge, Timsgarry, GB HS2 9ET
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