【スコットランド島旅】ウイスキー界のリトルモンスターと逢いにアイラ島へ⑤

アードベッグはアイラ島のウイスキーの中では少し知名度が低いかもしれない。けれど、このブランドは1815年に設立。以来、高い名声があるにも関わらず、閉鎖の危機に幾度も晒されてきたと言う。そして、ついに大手のグレンモーレンジイ社の参加で1997年復活の道へと進み始める。

アードベッグ蒸溜所を訪れると、なんともポップな外観。ここはウイスキー蒸溜所ではなく、ライブ会場かお洒落カフェかと思うほど。しかし復活への道を辿る歴史はなかなか真面目かつ興味深い。

復活への道を辿った歴代のボトル名が面白い。

1代目(2003年)と2代名(2004年)がVery Young。復活への道が正しい方向へ進んでいる事を伝える為に、コミッティーへ提供したボトル。3代目(2006年)が8年熟成のStill Young(まだ若い)。4代目(2007年)は9年熟成のAlmost There(もうすぐそこに)。そして、ついに5代目(2008年)初の10年熟成をリリース。味わいとしては海を思わせるアイラらしいヨード香と共に、重厚感と甘美な味わいが口に広がる一品が届けられた。

面白いのがアードベッグは今も5年熟成ボトルを出している。名前はWee Beastie、少し分かりやすく言い換えるとリトルモンスター。まだ若いけれど、少し荒削りな方が、アイラのスモーキーさ、ピーティーさが際立つということで、若さを武器にした破壊的なスモーキーボトルをあえて発売している。

蒸溜所を訪れると、確かにリトルモンスターのごとく、若さを押し出した雰囲気。ビジターセンター中ほどにはウイスキーの象徴であるポットスティルがデーンと(でも伝統ある体ではない)そしてランチや軽食が楽しめる屋台が設置されている。

そう言えば、アイラ島でお世話になったB&Bオーナーに『アイラでどのウイスキーが好き?』と質問したところ、このアードベッグを挙げていた。B&Bの他、合間にタクシードライバーも仕事にしているので、毎日飲むわけではないけれど、あの重量感が好きだと。彼は60歳近くで決して若いとは言えないけれど、そんな地元ファンもいるアードベッグ。私もとあるスコットランドのバーで飲んだところファンになった。重量感はあるけれど、バランスがとれていた。ウイスキーファンで飲んだことのない人がいたら、是非ぜひ試して欲しい。

【アードベッグ蒸溜所 Ardbeg distillery】

住所:Port Ellen, Islay PA42 7EA, United Kingdom

You are entering Islay time | Ardbeg Single Malt Scotch Whisky
Called “as close to perfection as makes no difference,” by whisky connoisseurs, Ardbeg has been made...

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